シュウは、ケンシロウのために目が見えなくなりました。それと少し似ていますが、僕の考えたキャラクターは声が出ない。声を失った男です。
──おお。それは新しい!
その人は子供のころ、悪者に家族を殺されて、リュウ…ケン? リュウケンに助けられる。だけど、悪者に襲われた時に家が崩れたから、その事故で声を失ってしまいます。
──うわあ。完全にバックボーンができあがってるじゃないですか。
はい、そうです(笑)。そこから彼は10年の間、北斗神拳を学ぶ。本当は治すこともできたけど、強くなる道を選んだから、話せないままです。
──う~ん。アリですね、それ。
そして、大切なのはファイティングスタイル。彼は声が無い。だから手話の動き、スタイルで闘います。
──おおおお! 手話の動きを拳法に取り入れる! スゴい!!
かっこいいでしょ?
──かっこいい! 手話の動きが拳法の型になってるなんて、新しい!
ありがとうございます。
──いや~。これ、原先生に伝えた方がいいですよ、絶対。
それは本当にお願いします。
──はい。この連載を読まれている可能性はありますし、伝えます。
あと、その男が死ぬ時。そのストーリーも考えています。
──ははは! そうですか。北斗ファンが考える、声を失った男の最期となると、やっぱり死ぬ直前に…。
そう。喋ります!
──ですよね~!!
ははははは。分かりましたか。でもいいアイデアじゃないですか?
──素晴らしい。感動しました。ちなみに最期は、なにを喋るんです?
あ~。ごめんなさい。それは本当に映画になった時、監督に教えます。
──えええええええええええ!
それまでは、シークレットね。
──オッケー。分かりました。今日は本当にありがとうございました。
ありがとうございました。僕も本当に楽しかった。ありがとう。
テレビのイメージとは裏腹なマンガ&フィギュア好きの熱血漢
ダンテさんのイメージは「CM」。根が真面目で大人しそうな印象を受けていたが、会ってみると本当に明るい。しかも、対談場所となった吉祥寺の「CAFE ZENON 」。そこに飾られているケンシロウの等身大フィギュアを発見するなり、人目も気にせずにスマホでパシャパシャ。目を輝かせて撮る姿は、まるで自分の年齢を忘れた少年のようであった。
日本人には無い視点で見る北斗
その独特の考え方に興味津々
今回の対談で最も興味深かったのは、日本人あるいはアジア人(?)には無い、欧米人ならではの考え方。悲しみ、別れ、負けの美学を物語の”深さ”に当て込む日本マンガのスタイルに対する、ある種の違和感。サウザーに対しても「愛を捨てない道もあったのにそっちを選ばなかった」。自ら二択を一択にしてしまったと分析。日本人との考え方の違いを知ることができて、本当に興味深かった。あと自分の英語が通じた時…嬉しかったッス!!
Interviewer ガル憎
フリーライター。1974年1月4日、広島県に生まれる。北斗の”第一世代”とも称される生粋の団塊ジュニアかつ原作の公式親善大使で、広島東洋カープファン。原哲夫らとの交流も深く、映画「真救世主伝説 北斗の拳 ZERO ケンシロウ伝」のエンドロールにも名を刻む。好きなキャラクターは、トキ。