北斗の拳生誕30周年記念特別インタビュー

北斗の拳生誕30周年記念特別インタビュー北斗語り北斗語りとは

日本マンガ史にその名を刻む名作「北斗の拳」が2013年、連載開始「30周年」を迎える。
この記念すべき年を意義あるものにすべく、原作の公式親善大使が豪華ゲストを迎えて対談。
これまで語られてきた北斗、語られていない北斗。
北斗に魅せられし者たちが届ける大型新連載、愛深きゆえに行われる。

川越達也

川越達也

VOL12川越達也

──ラオウ、トキ。続いてはケンシロウにしましょう。

ケンシロウは、それこそみんな大好きなデミグラスハンバーグですね。

──なるほど~。意外ですが、主人公だから王道…的な。誰からも愛されるメニューということですね。

問題はジャギ。ここですよね~(笑)。

──なんですかね。安い食堂の生姜焼き定食とかですかね。

生姜焼き定食はみんな好きですよ。

──あ~。そっか。そうですね。余計なこと言ってすいません!

ジャギ…。まあ、オチというわけではないですけど、クセのあるゴルゴンゾーラのニョッキ!

──ニョ……ニョッキ!!

そう。技術とか美味しく仕上げるテクニックが必要なんですよ。それでいてゴルゴンゾーラは、好き嫌いがハッキリしているので。好きな人には堪らないんですよね。

──なるほど。クセがある!

ええ。だから…うん。テクニックが必要なジャガイモのニョッキかな。

──ようするに、小難しい子と。

ええ。そうですね。

──愚弟のケンシロウはハンバーグなのに、なぜ俺がニョッキなんだ!

あはは。でも、そういうイメージなんですよね。ラオウなんかは、それこそガル憎さんが言った500グラム級のステーキ。もう炭火焼きみたいな感じでもいいかもしれませんね。

──もう、香草みたいな気取ったものが付け合わせに無いような。

付け合わせの印象としては、焼きっぱなしの野菜のグリルとか。そこにレモンをワイルドに絞る。

──いや~。面白いですよね、これ。飲み物もいってみましょう!

飲み物だと、ワインですかね? それとも、なんでもアリ? だとしたらトキはもう、シャンパンですね。

──納得です。高級なシャンパン。

ラオウは…赤ワイン。ロマネ・コンティあたりなら、力強さとエレガントさを兼ね備えた感じが伝わるかな。

──飲んだことはありませんが分かる気はします(笑)。

シャンパンならクリュッグ(※3)。上質で気品のあるシャンパーニュ。

【※3】
クリュッグ(Krug)は、フランス北部にあるシャンパーニュメーカーのひとつ。最高級数シャンパーニュブランドとしてその名を轟かせ、品質に対するこだわりから「シャンパンの帝王」と称される。本文中で川越氏が言っているのは「グランド・キュヴェ」と呼ばれる同メーカーの中で最もベーシックな高級シャンパーニュを指す。

──ケンシロウは?

ケンシロウかあ~。主役として飲み物に例えるなら…ビール(笑)。

──あはは。ビールですか!

ビールはみんなが好きだし、スタンダートですからね。

──ふむふむ。こうなると、俄然ジャギが楽しみになってきますが。

ジャギは……すっごく臭い芋焼酎。

──あはは! たしかに!

僕は九州の宮崎県出身なので、あえてです。僕は芋焼酎は臭くないと嫌なんですよね。

──芋焼酎だけど、森伊蔵(※4)ではないような気はします。

【※4】
日本の鹿児島県垂水市に本拠を置く酒造メーカー森伊蔵(もりいぞう)酒造より発売されている芋焼酎を代表する有名ブランド。同銘柄は通常購入を行っておらず、毎年、電話による抽選を行う。その当選確率はじつに「約0.2%」とも言われており、まさに幻の焼酎という名がふさわしく、定価の何倍もの価格設定が行われる。

う~ん。黒霧島とか白波? あっ。こうしましょうか、黒霧島のお湯割り。超臭くなりますからね。ただ、芋焼酎も好きな人には堪らないんです。

──まさにジャギ。マニアには堪らない存在ですもんね。さっきの料理とこれらの飲み物を組み合わせると面白いことになりそうです。

ラオウならサーロインステーキとロマネ・コンティ。トキはバーニャカウダのサラダとシャンパン、ケンシロウもハンバーグとビール。うん、組み合わせも完璧になってますね。