北斗の拳生誕30周年記念特別インタビュー

北斗の拳生誕30周年記念特別インタビュー北斗語り北斗語りとは

日本マンガ史にその名を刻む名作「北斗の拳」が2013年、連載開始「30周年」を迎える。
この記念すべき年を意義あるものにすべく、原作の公式親善大使が豪華ゲストを迎えて対談。
これまで語られてきた北斗、語られていない北斗。
北斗に魅せられし者たちが届ける大型新連載、愛深きゆえに行われる。

川越達也

川越達也

VOL12川越達也

北斗の拳が30周年を迎え、原作の公式親善大使として、なにか華を添えることはできないか。北斗の拳という偉大な作品を後世に語り継ぐような企画ができないものか…。そんな想いから始めさせていただいた当連載「北斗語り」も、なんと、今月号から2年目に突入(※1)。そんな記念すべき号に登場していただく今回の語り相手は、テレビなどで活躍中の川越達也シェフ(※2)。そのイメージと北斗の拳が結びつかないという方もおられるとは思うが、川越氏もまた立派な「北斗の子」。アツい語り合いをさせていただこう。

【※1】
連載における歴代の“語り相手”は以下のとおりとなる(敬称略)。
①武論尊(原作) ②鯉沼久史(北斗無双プロデューサー) ③ケンドーコバヤシ(お笑い芸人) ④若杉公徳(漫画家) ⑤名越康文(精神科医・評論家) ⑥ダンテ・カーヴァー(俳優・モデル) ⑦棚橋弘至(プロレスラー) ⑧天野ひろゆき(お笑い芸人) ⑨原哲夫(漫画)


【※2】川越達也
1973年3月7日、宮崎県東諸県郡国富町出身。血液型=O型。宮崎県立本庄高等学校出身。テレビやメディアなどでもお馴染みの料理人で「株式会社タツヤ・カワゴエ」代表取締役。料理人としての活動の他にフードコーディネーターや料理講師としても活動。その端整な顔立ちと分かりやすい料理解説などで支持を得ている。

※このインタビューは、月刊コミックゼノン2月号(2013年12月25日発売)に掲載されたものをそのまま使用しております。

──ガル憎(以下略)川越さん。本日はよろしくお願いします。

川越達也(以下略)はい。なんだか緊張しますね。お願いします。

──早速ですが、まずは、好きなキャラクターを教えてください。

う~ん。普通はラオウやケンシロウなんでしょうけど、僕は、思想的な部分で考えてまして…トキですね。

──僕もトキですよ。

そうなんですか? 安心しました。

──トキは人気キャラクターだから大丈夫です。ちなみに、トキは単独1位ですか? たとえばベスト3があるとか、トキ以外はナシとか。

トキ、ケンシロウ、ラオウですね。

──ジャギを外した北斗の兄弟ということですね。悲運の三男…(笑)。

あ~。ジャギ。そうなりますね。

──思想的な部分でトキと言われましたが、それは彼の性格ですか?

料理人の中には、ラオウのように「これが俺のスタイルだ!」と、自分を強く表現する方もおられます。それが悪いという意味ではなく、僕はしなやかで品のあるスタイルが料理人思想としてあるので、トキのようなスタイルで料理ができたらなと思うんです。気品みたいな部分で。

──繊細。しかも美しい。

まあ、難点はご病気をされているところですけど(笑)。

──ははは。たしかに。ちなみにこれは恒例の質問なのですが、原作のベストバウトを教えてください。

やっぱり…ラオウとケンシロウ。最後の闘いですね。僕は長男なので少し複雑な心境でしたが。

──自分と同じ長男であるラオウを応援したい気持ちも?

ですね。ラオウならではの苦しみというか想いとか…長男がゆえの責任というか。でも弟にやられる。あれは複雑な思いでしたね。ただ、潔かったんですよね。あの死に様が。

──なるほど。ご自身が長男なので弟に倒されるのは複雑。ただ長男として潔い最期を弟に見せたという部分では納得できるというか、兄とはどういうものか。そういう部分を考えさせられたりもしたと。

ラオウの生き方を見ると、つい応援したくなるんですよ。

──ラオウの生き方は、男なら誰でも憧れるんじゃないんですかね?

レストラン経営をしながら、もちろんお客様がいて我々の商売があるのですが、やはり自分の信念は貫いてやっています。それでもなお、店を閉めざるを得なかった時には、悔いなく毎日の仕事をしているのでたぶん出ちゃいますね、アレが。

──あはは。我が生涯に…。

そう。それです。まあ、それを言うということは店が終わるということなんで実際は困るんですけどね。

──いやいや。その言葉は、すべてやり切ってからで。僕も川越さんのお店に行きたい…というか、話してるこの場所がそうなんですが、いつか行きたいので頑張ってください。

もちろんです。ラオウの言葉を言って終わるだろうというのは、あくまで予想の話なので大丈夫です(笑)。

──分かりました。え~と、それではですね、今日は、これまでとは違うアプローチ。前例の無い北斗語りをさせてほしいのですが。

え? と言いますと?

──これまで対談をしてきた皆さんは当然ながら北斗の拳が大好きなんですが、ただ好きというよりはその人のお仕事とか、そういう部分にも重点を置いているんです。

あ~。なるほど。たしかに、資料を見て驚きましたね。本当に多くの著名人が出られていたので。