北斗の拳生誕30周年記念特別インタビュー

北斗の拳生誕30周年記念特別インタビュー北斗語り北斗語りとは

日本マンガ史にその名を刻む名作「北斗の拳」が2013年、連載開始「30周年」を迎える。
この記念すべき年を意義あるものにすべく、原作の公式親善大使が豪華ゲストを迎えて対談。
これまで語られてきた北斗、語られていない北斗。
北斗に魅せられし者たちが届ける大型新連載、愛深きゆえに行われる。

若杉公徳

若杉公徳

VOL04若杉公徳

──他に好きなキャラは?

登場シーンで「カッコいい!」と思ったのはジュウザですねえ。

──はいはい。健全な男子なら必ず名を挙げるジュウザですね(笑)。

キャラクターの流れで、極端に強いとか怖いとか出て来てるところであのジュウザ。自由人という…。

──そうですよね。ストレート勝負のところに変化球が来た。でもその変化球の曲がりがスゴいという。

やっぱり憧れですかね、男の。ああいう風に生きてみたいなと。

──じゃあ、ジュウザが1位で?

う~ん…。難しいですね、レイとかも大好きですし。見てて本当に気持ちよかったんです、水鳥拳が。

──それまでは、北斗神拳。割とオラオラ系の力技みたいな。

ええ。そこで「スパッ!」と切っちゃうあの感じが爽快でしたよね。だから「KAPPEI」に出てくる守(※6)はレイがモデルです。

【※6】守
勝平と共に「無戒殺風拳」を学んだ男で、手刀などによる「斬り技」を主体とする「蛇戦流(じゃせんりゅう)」の使い手で「クール」が口癖。ただし同門同士の闘いでは高確率で敗北を喫し、よく大ケガをすることがある。イジリー岡田を尊敬しているという若杉作品ならではの設定も。

──最初に出てきた時、僕はシンがモデルかと思ったんです。そしたら蛇戦流で「シャッ!」とやったんで「はいはい、これはレイだな!」と。

はははは。そうです、まさに。

──ジュウザとレイ。他には?

ケンシロウは…好きなキャラに入れてもいいんですかね?

──え? いいですよ! むしろダメな理由が無いです、主人公だし。

いや~。やっぱり、あの傷は付けたかったですよね。七つの傷は。

──書きましたね~。マジックで。

マジックじゃなくて鉛筆とかで強く書いたら残るかなとか。あと、腕に白い布を巻いてみたり。

──巻きましたね~。包帯を。

なんか強くなった気がしますよね。

──ええ。するんです。するんですけど難しいんですよ。ケンシロウみたいに上手くいかなくて、技とかマネしてると、ほどけるんです。

それでもやってましたね。あとは百裂拳みたいに速いスピードでパンチを繰り出して残像が見えるかとか。

──はははは! もう、やってることが完全に同じですね! 僕はオーラとかに挑んでましたけど。

あ~~。オーラ! そうですねえ。

──部屋を真っ暗にして妹に「オーラ見えてる?」とか。秒殺で「ぜんぜん見えないけど」と返されて、頭に来たんで風呂に入りましたね。冬の寒い日に熱い風呂に入って、すぐ外に出るんですよ。ものスゴい闘気…白オーラが出てましたから。

あははは。湯気ですよね?

──ええ。そうとも言います。

ははは。でも、そういうの懐かしいですよね。なんか、北斗の拳って生身の人間じゃないですか。どこか自分もできるんじゃないかっていう。

──そう! そこですよね! たとえて言えば「かめはめ波」は出せないけど剛掌波はイケそうとか。

なんかこう、練習したら修得できるんじゃないかなと思いますよね。

──まあ、できないんですけどね。

そう。できないんですよね(笑)。

──ちなみに、読者ではなく同じマンガ家として北斗をどう見てます?

これだけの登場人物がいるのにキャラがカブらず、しかも全員インパクトがあるっていうのはスゴいです。

──分かります。たとえば恨みを持ってるという意味ではジャギもアミバも同じなんですが、それが同じキャラには見えないですもんね。

服とか、そういう衣装的なものも研究されてるんでしょうね。

──なんか、当時フィギュアとかまだ無かった時代だったけど、割とそういうイメージで描かれてたという話は聞いたことがあります。

お~。立体的に、3Dみたいな感じでイメージを増幅されるんですね。
あと単純に、たとえば鎧とか、すごく凝って描いてますよね。毎回ああいうのを描くの、大変だなと。

──はいはい。つい頑張って描いちゃったけど、毎回はキツいとか?

そうですね。僕だったら「早いとこ殺したいなコイツ」って。ギャグの要素で上手いこと、早めに…とか。

──はははは! でも、そもそも原先生はギャグマンガ畑というか、北斗でもそういう描写が多くて、割と共通する部分もあるのかなと。特にザコを倒すときなんか、ナイフを投げてるつもりなのに、すでに腕が無くなってたとか。断末魔で「ぱっぴぷっぺぽお!」とか。

そうですよね。ああいう部分にはギャグの要素を感じますよね。そういう意味で考えると、原先生の完全なギャグマンガとか読みたいですね。

──あの画風で、どんなギャグマンガになるのか(笑)。ちなみに若杉先生はどんなのが見たいです?

やっぱり…もし世紀末が来なかったらどうなっていたかとか。

──ははは! 「KAPPEI」だ!!

でも、やっぱりそういうのを読んでみたいですね。原先生の絵で。

──じゃあ逆に、若杉先生が描きたい北斗のキャラとかあります? このキャラと勝平を闘わせたいとか。

勝平とですか? う~ん。ジュウザもいいけど…サウザーとか?

──おお! 勝平VSサウザー!! それは見たいです。描いてください!

ええ。時間をもらえれば、ぜんぜん描きますよ。描きたいですね。

──分かりました。じゃあ、今回の最終ページに載せましょう!

分かりました! 頑張ります!!