ガル憎(以下略)──それでは、今日はよろしくお願いします。
鯉沼久史(以下略)こちらこそ。
──まず、鯉沼さんと言えば北斗無双のプロデューサー(※1)。いきなりですが、会えて光栄です。
【※1】鯉沼久史
コーエーテクモゲームス専務取締役。北斗無双シリーズのプロデューサーであると同時に過去の無双シリーズも数多く仕掛け、業界内外から絶大な評価、信頼を受ける。1971年10月2日生まれ、千葉県出身。コーエーにはプログラマーとして1994年に入社し現在に至る。
ありがとうございます。
──初代「北斗無双」。そして現在好評発売中の「真・北斗無双」。タイミング的に宣伝目的の対談と思われるかもしれませんが、まずはそれを否定させていただきます。北斗を愛した人と純粋に語り合う。それがこの企画の基本理念なんですよね。だから今日は、北斗無双の宣伝にはならないかもしれません(苦笑)。
純粋に北斗の話をしようということですね? もちろんOKです。
──ありがとうございます。とは言え鯉沼さんが北斗無双シリーズのプロデューサーをしてる以上、その話は避けて通れないんですが、何年か前に週刊コミックバンチでマンガ化されましたよね。たしか「北斗無双を創った男たち」かな?(※2)
【※2】北斗無双を創った男たち
週刊コミックバンチ3月26日号と4月2日号、2号に渡って掲載された「北斗無双」のメイキング(及び制作秘話)マンガ。北斗の拳と無双シリーズの世界観がいかに融合したか、そこにはどんな苦労があったかなどが描かれた。言うまでもなく、主人公は鯉沼氏。
そうですね。少し恥ずかしかったですが、いい思い出になりました。
──あそこで「ゲームから離れてしまった世代を呼び戻したい」という鯉沼さんの想いが語られました。いわゆる僕たち。40歳前後とか。
私は職業柄、いまでもマンガやゲームが大好きなんですけど、子供のころに初代ファミコンなんかで遊んでいた世代に戻ってきてほしい。そういう思いは強かったです。だからこそ自分が週刊少年ジャンプで読んでいたタイトル「北斗の拳」を選んで。
──そういう意味では、間違いなく戻ってきてますよ。まず俺が。じつはプレステ3を持ってなくて、北斗無双が出るからっていうんで、わざわざ買ったんです。しかも、北斗無双しかやってないし、他は買ってない。
ええ? そうなんですか?
──そうなんです。だから、僕にとってのプレステ3は北斗無双専用ゲーム機なんですよ。
それって、ある意味ではすごく贅沢な使い方ですよね(笑)。
──でも、そこまでしてでも買いたかったということです。鯉沼さんのような北斗世代の人が作ってくれて本当に良かったですよ。あのバンチのマンガを読んだだけでも、北斗好きは伝わってきましたしね。
はははは。やっぱり、せっかくプロデューサーになったんだし、過去の自分が熱く読んでいた作品を自分自身で作れる喜びとか、夢みたいなものがあるじゃないですか?